別れさせ屋黎明期(20年前のこと)ー 独立 前編 ー

前回までの「別れさせ屋黎明期」では、アクアグローバルサポート 藤木社長の下積み時代についてお伝えしてきました。

探偵を志ざした動悸や、別れさせ屋というサービスの在り方、日常ではあまり耳にすることのない、ここだけの話ばかりでした。

今回は独立編です。

 

 

>前回の下積みの頃のお話では、サービスに対する姿勢が会社と藤木さんとで違っていたと思います。独立後、工作の “質” を上げるためどんなことを試したのですか?

何かを改善するというよりも、考えることに一番時間使ってたと思う。
それまで単に接触すればOKっていう、”やっている体の工作” だったのが制限なく自分のやりたいことができるようになったから。
兎に角ターゲットがどんな人間かということを掘り下げまくって、考えた。

 

>下積み時代は「考える」という工程はありましたか?

無いね。
どんな人だろうがとりあえず接触しろってことだったから、そこまで掘り下げる時間は無かったし、接触することがすでに目的でありゴールで、依頼者さんが望む状況を実現することを会社が求めてなかったから。

そうなると極論ターゲットの行動さえわかっていれば接触はできるじゃん。それは浮気調査会社の延長でしかない。これを本気で成功させるってなると、同じ「工作」ってものをやっていながら、「関係構築」という全く違うことをやらなきゃいけないから、それまでとは別物のサービスをやっていると思ってたし、その中での変化はターゲットの人間性とかそれを加味して、その人の気持ちになって「どうしたら我々の思い描いている状況にできるか考える」ことにひたすら時間費やしてたね。

 

>それは何を考えるんですか?

対象者の人間性。対象者にイタコのようになりきることだよね。
ターゲットと関係構築したい、どうしたら友達になれるのかを本人から聞けたら一番良いわけじゃん。でも、聞けない。
ところが対象者の「人間性」「生い立ち」「生活環境」とかを自分の中に落とし込んで、対象に近い人間に一時なれれば、その答えがわかる。そのイタコみたいな作業に兎に角時間をかけるべきだよね。考えることが8割9割と言っても過言ではない。

現実世界でも同じことで。あの人と友達になりたいなとか、近づきたいなと思ったら自分がどうしたいかじゃなくて相手がどうされたいかを考えるじゃない。
工作も進め方はそれに近い。相手になりきればいい。
すごく人を見たり表面的な言葉とか表情だけじゃなく、その裏でこの人本当はどう思ってるんだろうとか、言葉以外から情報を入手しようとする視点がすごく変わったね。

 

>立ち上げ当初は現専務含め3人だったと伺いましたが、今お話されたようなことを皆さんで話し合っていたのですか?

いや、覚えてない(笑)
そういう話なんかしてないと思うな。記憶がない。
365日24時間悶々と考えてたから。
だって今までと責任が違うじゃん。下積みなんて言われたことやってれば良いのに、自分が直接依頼を受けるってなれば信頼してお金出してくれるわけだから。
結果出さなきゃいけなくて、そのプレッシャーとか責任感て0か100かくらい違うわけだよね。

 

>独立後、一番最初の依頼者さんのことは覚えてますか?

もちろん鮮明に覚えてる。
独立してから1年半くらい経ってからだったね。
ネットから問い合わせが来たの。その頃拾ってきたんだったか犬にかじられたボロボロのパソコンでさ。笑
その依頼者さんの話も映画みたいな話で…

 

>聞きたいことは山積みなんですけど、最初の依頼が来たのが1年半後ですか!

うん、その間もひたすら悶々と工作のこと考えてた。
考えれば考えるほど「う〜ん、俺は絶対成功するよなぁ」って。一同笑

 

さて、記念すべき独立後初の依頼。
この後どんな展開が待っているのでしょうか。
次回の別れさせ屋黎明期、お楽しみに!